金の病気

『治したくない ひがし町診療所の日々』という本を読んでいたら、金欠病という言葉に出会った。金欠病は医学的な病名ではない。つまりこうすれば治るという治療法があるわけではない。

金欠病の症状は、単にお金がないということではない。とにかくお金を使ってしまうのである。使うから食べ物も買えず、家賃も払えず、携帯電話も使えない。借金で仲間とトラブルを起こし、イライラで爆発し、社会生活が破綻する。それがわかっていながらもなお使ってしまう。それが金欠病という病気だ。

この説明を読みながら、これは自分のことだと思った。お金のせいで生活が破綻する。それでもなお、お金を使ってしまう。ああ、病気なのだ、自分は。自分に金銭的な問題があることは薄々気づいていたけど、それが精神病のなかに位置付けられるとなると、少し真剣に現実に向き合わなければと思い始めている。幸い僕の生活は、まだ立て直せるくらいの破綻度だ(たぶん)。そもそもこういう楽観的な見立てが問題なのかもしれないが・・・。自分を破壊してしまう前にこの病気を何とかしたい。病院で手術、薬を飲んで一発で完治とはならない。生活の中で、長期的に治していくしかない。そのための第一歩がこの記録だ。

毎日何にいくらお金を使ったかを記録する。失敗も含め、ごまかさずに、記録する。本当はひがし町診療所のような、金欠ミーティングのような場があればいいのだけど、とりあえずブログで自分の状態を他人に晒すことから始めてみようと思う。